寄稿記事紹介(「知財の武器」について)

尼崎工業会さまの会報誌『AIAニュース』(AIAニュース No.205 令和7年11月14日発行)に掲載いただいている、弊所寄稿記事「知財の小噺」をご紹介いたします。
※本記事の内容は、2025年10月時点での最新情報です。
※記事のWEBでの紹介につきましては、事前に尼崎工業会さまに許可を得ております。

大ヒットゲーム『Palworld/パルワールド』の裏で起きた知財事件

2024年1月に株式会社ポケットペアがアーリーアクセス版としてリリースした『Palworld(パルワールド)』は、モンスターを集めて育てることができるオープンワールド型のサバイバルクラフトゲームであり、世界中で大きな反響を呼びました。
その人気を後押ししたのがマイクロソフト社です。発売日から同社のサブスクリプションサービス「Xbox Game Pass」で本作が提供され、これが大きな追い風となりました。さらに、世界的な反響を受け、ソニー・インタラクティブエンタテインメント社もPlayStation5 向けに本作の提供を開始し、注目を集めました。
一方で、キャラクターデザインなどが『ポケットモンスター』シリーズに似ているとSNSで話題になり、知財の観点からも議論の的となりました。現在、任天堂と株式会社ポケモン(以下、任天堂側)が、特許権侵害を理由に株式会社ポケットペアを提訴し、係争中となっています。

なぜ著作権ではなく特許権を主張?

任天堂側が争点として主張したのは著作権侵害ではなく、同社が保有するゲーム内の操作性などに関する、以下の特許権侵害でした。

特許権
第7493117号キャラクターを捕獲する際、成功率などの指標を表示する技術
第7545191号プレイヤーがキャラクターをフィールドに放ち、戦闘を開始させる技術
第7528390号プレイヤーが搭乗するキャラクターを、地形に応じてスムーズに切り替える技術

キャラクターデザインの類似性を問う著作権侵害の問題においては、判断基準が曖昧になりやすく、「似ているかどうか」を巡る水掛け論に発展するおそれがあります。
一方で、技術を保護する特許権は、権利範囲が文書で明確に定義されているため、著作権に比べて客観的に侵害を主張しやすいという特徴があります。

任天堂側は、こうした特許権の特性を踏まえ、より白黒をつけやすい形で争うことを選択したのではないかと考えられます。

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