寄稿記事紹介(AI画像生成について)

尼崎工業会さまの会報誌『AIAニュース』(AIAニュース No.203 令和7年7月28日発行)に掲載いただいている、弊所寄稿記事「知財の小噺」をご紹介いたします。
※本記事の内容は、2025年7月時点での最新情報です。
※記事のWEBでの紹介につきましては、事前に尼崎工業会さまに許可を得ております。

AI画像生成サービス「Midjourney」が著作権侵害で提訴

 2025年6月、ディズニー&ユニバーサルグループ各社が、AI画像生成サービスを提供するミッドジャーニー(Midjourney)社を相手取り、著作権侵害で提訴しました。
 原告は、被告が「マーベル」などの自社キャラクターに酷似した画像を無断で生成(複製、公開等)していると指摘し、これを「典型的な著作権のただ乗り」かつ「盗作の底なし沼」と厳しく非難しています。原告は被告に対して、自社キャラクターに係る画像の生成および配布の差止めに加え、著作権侵害に対する損害賠償を求めています。
 原告はこれまで被告に対して著作権侵害の改善を求めてきましたが、対応がなされなかったことから今回の提訴に踏み切ったとしています。ハリウッドの大手企業が、AI生成画像を巡って著作権侵害の訴訟を起こすのは今回が初めてであり、今後のAI関連訴訟の動向に大きな影響を与える可能性があります。

原告(訴えた側)一覧具体的なキャラクター(一覧)
▼ディズニー
・Disney Enterprises, Inc.
・MVL Film Finance LLC
・Marvel Characters, Inc.
・Lucasfilm Ltd. LLC
・Twentieth Century Fox Film Corporation(20th Century Studios)
スター・ウォーズ(ヨーダ、ダース・ベイダー etc.)
マーベル(アイアンマン、スパイダーマン etc.)
ザ・シンプソンズ
ピクサー(バズ・ライトイヤー、ウォーリー etc.)
ディズニー(スティッチ、エルサ、アリエル etc.)
ミニオンズ
シュレック
カンフーパンダ
ボス・ベイビー
▼ユニバーサル
・Universal City Studios Productions LLLP
・DreamWorks Animation L.L.C.

※UNITED STATES DISTRICT COURT CENTRAL DISTRICT OF CALIFORNIA / Case No. 25-5275 参照

「ジブリ風」AI画像生成と著作権の考え方

 近頃、「ジブリ風」のイラストを生成することが人気を集めています。このような現象は「ジブリフィケーション」と呼ばれており、SNS上でも数多く見られます。しかし、この動きに対して著作権上の問題が議論されています。
 2025年4月時点で文部科学省は、「著作権法は創作的な表現に至らない作風やアイデアを保護するものではない」との見解を示しています。一方で、AIで生成されたコンテンツであっても、既存の著作物との類似性や依拠性が認められる場合には、著作権侵害になり得るとされています。
 つまり、ジブリ作品の雰囲気やスタイルを真似ただけでは著作権侵害に該当しませんが、「ジブリそのもの」と認定されてしまうと法律違反になり得るということです。最終的な判断は裁判所に委ねられており、グレーゾーンも残されています。今後も技術の進展に伴い、法律の解釈や対応に注目です!

日本の著作権法では・・・
①作風やアイデアの類似は著作権侵害には当たらない。
②具体的な表現のコピーは著作権侵害に当たる。 
裁判所の判断

最終的には、裁判所の判断による!

知財ワンポイント

AI生成画像は、法律とマナーを守って使いましょう!

なんとなく使っていると、思わぬ「著作権法の落とし穴」にはまることも…
「これ、大丈夫かな?」と思ったら、専門家へ相談することをおすすめします。